ABAいしかわトピックス

2017年1月1日

北陸信越運輸局石川運輸支局 支局長 山下 明 新年のご挨拶

新年明けましておめでとうございます。
石川県自動車車体整備協同組合並びに会員の皆様には、ご健勝にて新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
皆様には、平素から国土交通行政並びに当運輸支局の業務につきまして、格別なるご理解とご協力を頂いておりますことに厚く御礼申し上げます。
平成29年の新春を迎えるにあたり、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。

さて、昨年を顧みますと、昨年10月末時点で訪日外国人旅行者数が2000万人を突破し、いよいよ「訪日外国人2000万人時代」を迎えました。これを受け、国土交通省・観光庁においては、東京オリンピックが開催される2020年の訪日外国人旅行者数の目標値を4000万人にするという、新たなビジョンを示したところです。
こういった状況を踏まえ、北陸信越運輸局といたしましても、地方創世への貢献を図る観点から、諸外国からより多くの観光客を北陸信越地域に呼び込むため、地方公共団体と連携し、様々な取り組みを行うこととしております。
とりわけ石川県においては、長野・金沢間に一昨年延伸開業した北陸新幹線については、反動減はあったものの、高水準の利用が依然続いており、また、昨年のクルーズ船の金沢港への寄港数も一昨年の1.5倍となっている状況の中、外国人旅行者の入り込みが特に目立っていることを皆様も感じておられると思います。世界最大の口コミ旅行サイト「トリップアドバイザー」が昨年発表したところによりますと、“日本国内の都道府県で最も外国人旅行者からの関心が高まった県は石川県”であったとのことですので、石川県内においては、今後も外国人旅行者の増加が期待できるものと思います。

一方、国内の経済面に目を向けますと、政府の各種政策の効果により緩やかな景気回復の動きがみられるところですが、今年に入りましても、その動きは続く見通しです。しかしながら、まだまだ本格的な景気回復とは言えず、日本経済を下支えしている多くの中小企業にとって企業収益の改善が進まない状況にあります。

自動車整備業界におきましては、自動車の使用期間の長期化に加え、急速に進む自動車技術の高度化等に的確に対応し、クルマの安全と環境保全性能を守っていくなど、その役割は益々重要となってきております。
しかしながら、少子高齢化の中、労働人口の減少に伴う人材不足は、整備業界においても、今後ますます深刻な問題となって参りますので、業務をいかに効率化し生産性を上げていくかが重要な課題となってきます。

このような状況の中、皆様におかれましては自動車整備事業場の環境対策への取り組みとして、「環境に優しい自動車整備事業場等の表彰」については、昨年は8事業場が北陸信越運輸局長表彰、9事業場が当運輸支局長表彰を受賞されるなど、企業としての社会的責任を果たして頂いていることに敬意を表すとともに、感謝申し上げます。
今後とも、多様化・複雑化する社会情勢やユーザーニーズに対応したサービスを提供されるとともに、自動車の安全確保や環境保全のため、貴会を中心に弛まぬご努力を続けていかれますようお願い申し上げます。
自動車の整備と保守管理の取り組みにつきましては、依然として自動車の整備不良による事故やトラブルが発生しており、車体フレームの腐食による事故も発生していることから、自動車ユーザーが適切に保守管理を行い、自動車を安全に使用していただくよう、自動車ユーザーに対する情報提供、啓発の充実を図り、点検整備の促進に努めて参ります。

不正改造車等に対する取り組みにつきましては、安全を脅かし交通秩序を乱す不正改造車や整備不良車が後を絶たない状況から、これらの車両を排除するため、独立行政法人自動車技術総合機構と連携し、警察、自動車関係団体等の皆様の協力を得ながら、街頭検査を積極的に実施して参ります。

近年の少子高齢化や若者のクルマ離れ等により、自動車車体整備業界においても人材不足が懸念されております。
このことから、自動車車体整備を含めた自動車整備事業全般について、高校生の理解向上を図り、就職する若者を確保するため、県内の高等学校を直接訪問し、自動車整備事業の社会的重要性・将来性について説明を行い、進路指導の際に整備関係の仕事を選択肢として紹介していただけるよう取り組みを進めてきたところですが、この問題は自動車の安全・環境を支える自動車整備事業の基盤を揺るがすおそれがあることから、今年も引き続き取り組みを展開して参ります。

以上、新しい年の展望と、課題への取り組みについて述べさせて頂きましたが、本年も石川運輸支局といたしましては皆様と協力しながら、ユーザーによる自動車の適切な保守管理を推進し、安全で快適な「くるま社会」の形成と自動車整備業界の健全な発展に向けて努力して参ります。
結びにあたり、石川県自動車車体整備協同組合並びに会員各位の益々のご繁栄とご健勝を祈念申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。